落第忍者乱太郎及び忍たま乱太郎についての話を。
CATEGORY:小噺
2008年05月03日 (Sat)
前に書いていた江戸時代パラレルの書き掛け駄文。
この度設定を一新してやり直そう(?)と思ったので、この際だから。
改訂版の江戸パラ設定は、又の機会に。
この度設定を一新してやり直そう(?)と思ったので、この際だから。
改訂版の江戸パラ設定は、又の機会に。
「只今戻りました」
孫次郎が豆腐を買って戻った時、家には誰もいなかった。
孫兵はまた毒蛇でも追いかけているのだろうと思い、孫次郎は上がり口に腰を下ろす。
不意にからり、と戸が開き、孫兵が顔を出す。
「あ、マゴ、帰っていたのか?さっき、漸く捕まえたんだ」
と言って孫兵が差し出したのは、うねうねと蠢いている蛇だった。
「わざわざ見せなくても良いですからぁ…」
そう言う孫次郎の顔は心なしか青褪めていた。
「可愛いのに…」
蛇の魅力を理解してもらえず、孫兵はしゅんとなる。
「あ、あのぉ、さっき伊作さんと町で会って、腹痛の薬が残り少ないから届けてくれ、って」
伊作は近所にある寺・善法寺の住職の次男坊で、仏道修行の傍ら診療所を開いている。
「腹痛の薬?えーと…あ、材料ないから採って来ないと」
「僕も行きます」
これまで孫兵が薬の材料を採って来ると言ったまま、毒蛇やら毒虫やらを追いかけ、一時も戻って来なかったことは二度や三度ではない。
孫兵の失踪(?)を防ぐのも助手である自分の務めだ、と孫次郎は考えている。
案の定、河原への道すがら、孫次郎は蠍――どこかの見世物小屋から逃げ出したのだろうか――を見つけ、追いかけて行きそうになる孫兵をやっとの事で引き止めたのだったが。
孫次郎が豆腐を買って戻った時、家には誰もいなかった。
孫兵はまた毒蛇でも追いかけているのだろうと思い、孫次郎は上がり口に腰を下ろす。
不意にからり、と戸が開き、孫兵が顔を出す。
「あ、マゴ、帰っていたのか?さっき、漸く捕まえたんだ」
と言って孫兵が差し出したのは、うねうねと蠢いている蛇だった。
「わざわざ見せなくても良いですからぁ…」
そう言う孫次郎の顔は心なしか青褪めていた。
「可愛いのに…」
蛇の魅力を理解してもらえず、孫兵はしゅんとなる。
「あ、あのぉ、さっき伊作さんと町で会って、腹痛の薬が残り少ないから届けてくれ、って」
伊作は近所にある寺・善法寺の住職の次男坊で、仏道修行の傍ら診療所を開いている。
「腹痛の薬?えーと…あ、材料ないから採って来ないと」
「僕も行きます」
これまで孫兵が薬の材料を採って来ると言ったまま、毒蛇やら毒虫やらを追いかけ、一時も戻って来なかったことは二度や三度ではない。
孫兵の失踪(?)を防ぐのも助手である自分の務めだ、と孫次郎は考えている。
案の定、河原への道すがら、孫次郎は蠍――どこかの見世物小屋から逃げ出したのだろうか――を見つけ、追いかけて行きそうになる孫兵をやっとの事で引き止めたのだったが。
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